ネパールの生きた女神クマリ

日本・ネパール外交関係樹立70周年記念
写真展「クマリ」
2026年は日本とネパールが外交関係を樹立して70周年の記念すべき年にあたります。それを記念して写真展「クマリ」を開催いたします。私がお会いしてきたネパールの生きた女神クマリと、主にクマリが関わるネワールの祭り、クマリの交代儀式などの写真を、築280年の旧河内木綿問屋、国の登録有形文化財である萩原家住宅の米蔵を改装したギャラリーである茶吉庵ギャラリーと、一部を創建は470年、1500年を超える恩智神社で展示させていただきます。
クマリはネパールにおいて母なる存在であり、ヒンドゥー教と仏教の両方から分け隔てなく崇拝されています。その写真を日本の旧家を改装したギャラリーと歴史ある神社にて展示、日本でご紹介させていただきます。国や宗教に関係なく文化、伝統、思想の交流が持てればうれしいです。
【日時】2026年8月29日(土)~9月5日(土)12:00~18:00(最終日は16:00まで)
【場所】茶吉庵ギャラリー(大阪府八尾市恩智中町3丁目3−1 1番地)
※近鉄大阪線恩智(おんぢ)駅下車徒歩約10分
https://chakichian.co.jp/event/gallery-3/
恩智神社(大阪府八尾市恩智中町5-10)
※茶吉庵から徒歩約10分
http://onji.or.jp/
【主催】徳井聡司(経歴はこちらから)
【内容】
- ギャラリー1階では主にネワールの祭りの写真を、2階はクマリの間としてクマリの写真のみを展示、恩智神社でも一部写真を展示。
- その他お話会や、イベント、クマリのグッズや本の販売などを予定しています。決まり次第こちらにて発表させていただきます。
ネパールには生きた女神クマリとよばれる少女がいることをご存知でしょうか?ネパールの大多数を占めるヒンドゥ教徒にとってはドゥルガー、タレジュ、カーリーといった女神を、仏教徒にとってはターラー、ヴァスンダラ、ヴァジュラ・デヴィといった女神を身体に宿す存在としてネワールの人々の深い信仰を集める存在です。
首都カトマンズの王宮広場、ダルバート広場にあるクマリの館でくらすロイヤル・クマリが最も有名で、かつてネパールに王政がしかれていた際には、インドラジャトラという大祭の最終日に国王がクマリの元を訪れて跪き、国の守り神であるタレジュを宿す存在であるクマリから普段使わない左手でのティカをうけることで国を治める権利があることを国民に示しました。
現在もロイヤルクマリは館の中で暮らし、年に13回のみ正装姿で館の外に姿を現します。サキャ族とよばれる釈迦の末裔とされる金銀細工を扱うことを生業とする一族から選ばれ、バティスラクチェンと呼ばれる32の身体的特徴に合致したり、星回りがよかったり、いくつかの条件に当てはまる少女のみがクマリとして選ばれます。クマリは血の穢れを忌避するため初潮を迎える時に退任し、新しいクマリが選ばれます。
クマリはロイヤルクマリのほかに地方独自のローカルクマリと呼ばれるクマリも存在します。マッラ王朝時代後期にはバクタプル、カトマンズ(カンティプル)、パタン(ラリトプル)の三都が王都として栄えた時代があり、それぞれにロイヤルクマリを持ち、現在バクタプル、パタンのクマリはローカルクマリと呼ばれますが、元ロイヤルクマリでありローカルクマリの中でも少し特別な存在です。
ブンガマティと呼ばれる地にいるクマリは、マチェンドラナート(カルヤマヤ)と呼ばれる雨の神を迎え入れる際に大きな役割を持っており、歴史においても重要な立場にあるのではないかと推測されます。
ヌワコットというカトマンズから少し離れた高い丘の上にそびえる町にもクマリがおり、その地はマッラ王朝を征服したシャハ王がカトマンズ征服の拠点とした地であり、シャハ王が気付いた王宮広場、ダルバート広場や王宮が現在も残されております。この地にはダミ、ダミニと呼ばれる夫婦の生き神さまもおり、クマリはダミ、ダミニと深い関係を持つ存在であり独自性を持っています。
他にもカトマンズ盆地には幾人かのローカルクマリが居ることは分かっているのですが、最近のものでは2022年頃に断絶されたクマリがいたり、逆に復活をしたクマリがいたり、一日だけのクマリがいたり、ダサインと呼ばれる女神ドゥルガーを祝う祝祭の折には家族の少女がクマリとして祈りがささげられたりと、クマリについては、どこにいつどのようなクマリが居て、どういう存在であるのかを知ることが大変難しいです。
私はそのことに興味を持ち、自分で調べてくるしかないと思い2024年の9月にネパールに初めて訪れ、10人のクマリにお会いしてくることができました。その後も2025年4月、2025年9月とネパールを訪れ、クマリについて調べ、新しいクマリの存在を確認したり、クマリの交代儀式を拝見させていただいたり、クマリがでる祭りを共に楽しんだりしてきました。
2024年大阪市谷町のダルバート食堂で「クマリ10人の写真展」を開催したほか、第一回ネパールフェスティバル、ネパール大使館・観光局主催ネパール:独自の自然と多様な文化を持つ国、奏楽山西光寺第12 回報恩講でクマリの写真展をさせていただき、2025年には関西・大阪万博ネパールパビリオンで最終日までクマリの写真を常設展示させていただきました。
今後もネパールを訪れクマリについて調査をしつつ、ネパール文化を体感しまずは日本で伝えていくことができればと思っております。







とくいさとし
20年近く海外に行ったことがなかったのですが、思い立ってネパールへ。中学英語を駆使して、生きた女神さまクマリのみなさんにお会いし、ネパールの祭りを体験し、ネパールのみなさまにご縁をいただいています。
現在までにクマリについて個人的に本を書かせていただき、写真展やお話会などを開催しています。クマリについてお話を聞いてみたい人がいましたら、展示の際などにぜひお越しいただくかご連絡をください。


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